ボブ・ディラン、新刊の直筆サインが複製だったことを謝罪

ボブ・ディランは今月初め、サイモン&シェスター社から新刊著作『The Philosophy of Modern Song』を出版し(邦訳版は岩波書店より発売予定)、そのうち900冊がディランの “直筆サイン入り” として、599ドルで限定発売されました。

しかしながら、その “直筆サイン” がディランの手書きではなく、オートペン(自動でサインを行なう署名装置)を使用したものであることにファンが気付き、出版社が次の謝罪声明を発表していました。

「当社は、『The Philosophy of Modern Song』の限定版を購入された方々にお詫び申し上げます。限定版の本にはボブのオリジナル・サインがありますが、オートペンによる複製だったことが判明いたしました。各購入者の方々に即時返金させていただくことで、この件に対処しております」

これに続き、ディラン本人もSNSに謝罪文を掲載しました。

「私のファンとフォロワーの皆様へ

限定版『Philosophy Of Modern Song』のサインに関して、物議を醸していることは存じています。私は長年にわたり、すべてのアートプリントに手書きでサインをしてきましたが、それが問題になったことは一度もありませんでした。しかしながら、2019年に酷いめまいに襲われ、パンデミックの年まで続きました。限定版に直筆サインを入れるには、私のそばで5人のスタッフに協力してもらう必要がありましたが、ウイルスが猛威を振るう中、私の任務を達成するための安全で実行可能な方法を見つけることができませんでした。そのため、パンデミックの間はサインすることができず、めまいも治りませんでした。契約上の締め切りが迫っていたので、オートペンの使用が提案され、このような事が芸術と文学の世界で “よくあること” という思いもありました。オートペンを使ったのは判断ミスでしたので、早急に是正したく、サイモン & シュスター社とギャラリー・パートナーと協力して取り組んでおります。
痛惜の念をこめて、
ボブ・ディラン」