
ラッパーのディディ(Diddy)は1997年、ポリス1983年の大ヒット曲「Every Breath You Take」(邦題「見つめていたい」)を無許可でサンプリングし、同年3月に暗殺されたノートリアス・B.I.G.へのトリビュート曲「I’ll Be Missing You」としてリリースしました。
「I’ll Be Missing You」には、ノートリアス・B.I.G.の妻で歌手のフェイス・エヴァンスがフィーチャーされており、当時パフ・ダディ&フェイス・エヴァンス feat. 112名義でリリースされた同曲は、ディディ1997年のデビュー・アルバム『No Way Out』に収録されました。
この曲は、リリース直後にビルボードHot 100チャートで11週にわたり第1位を記録し、グラミー賞の「最優秀ラップ・パフォーマンス賞」も受賞しましたが、ディディはリリース以来、オリジナル曲のソングライターであるスティングにロイヤルティを支払うことになりました。
スティングは2014年のラジオ・インタヴューで、ディディから毎日2,000ドルを受け取っていると語っていましたが、その価格は時を経て値上がりしたようで、ディディが4月6日のツイッターで、「今では毎日5,000ドルになっている」と明かしています。
スティングが2003年、『ローリング・ストーン』誌に語ったところによると、ディディが無許可でサンプリングしたことを最初に教えてくれたのはエルトン・ジョンだったそうですが、すでに2,800万ドル以上のロイヤリティを手にしたスティングは、その収益金で子供たちを大学に行かせ、ディディとは良い友人関係にあると語り、ディディも先日のツイッターで、ブラザーのスティングが大好きだと綴っていました。
なお、ディディとフェイス・エヴァンス、スティングの3人は、1997年のMTVビデオ・ミュージック・アワードで「I’ll Be Missing You」を共演しています。