
デヴィッド・バーン原案、スパイク・リー監督での映画『アメリカン・ユートピア』日本公開間近ですが、同作への期待の声が高まる一方、「『Stop Making Sense』もまた観たい!」という声も寄せられていたようで、そのリクエストに応える1週間限定での上映が決定しました。
元トーキング・ヘッズのフロントマンで、グラミー賞受賞アーティスト、デイヴィッド・バーンと『ブラック・クランズマン』でオスカーを受賞した鬼才・スパイク・リー監督。現代アメリカを代表するふたりの才人の奇跡のコラボレーションがついに実現した映画『アメリカン・ユートピア』(パルコ配給)が5月7日よりTOHOシネマズシャンテ、シネクイント他全国公開に。試写会を重ねるごとに熱狂の渦が拡大している本作。公開への期待が高まる一方で、あのコンサートフィルムの金字塔『Stop Making Sense』もまた見たい!というお客様の声にお応えし、『アメリカン・ユートピア』公開に先行する形で1週間限定の上映が決定しました!
渋谷系カルチャーの出発点となったコンサート映画の金字塔!あの伝説が渋谷に再び降臨!
84年、若者たちは個性に目覚め始め、映画業界も娯楽映画からインディペンデント映画へ注目が集まり出す空気の中で、日本における “ミニシアター映画の夜明け” を明確に告げたのがこの『Stop Making Sense』だ。吉祥寺バウスシアターでのロードショーが発火点となってから、レイトショー上映にもかかわらず、渋谷では渋谷公園通りに長い行列ができるほどだったという。劇場では曲の切れ目には拍手が起こり、我慢できなくなった観客が上映中にも踊り出すほど。実際にコンサート会場にいるような気分にしてくれたのだ。
アートスクール出身のメンバーたちが織りなす最小限の小物と照明を駆使し表現される都市生活者の孤独や狂気──音楽と映画がクロスオーヴァーし、そしてトーキング・ヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンが「Girfriend Is Better」で着用する “ビッグスーツ” はその後長きにわたり彼の代名詞にもなるほどファッションにも大きな影響を与え、カルチャー感度の高い若者たちは熱狂した。トーキング・ヘッズの人気を不動のものとしたこのコンサート映画の金字塔ののち、監督の故・ジョナサン・デミは名作『羊たちの沈黙』を手がけることになる。レイトショー上映で1億円という驚異的な興行で大成功を収め、その後に繋がるミニシアター映画の隆盛とカルチャーの発信基地としての渋谷のイメージを決定的にした。また、2000 年にはリバイバル上映、2017 年には「爆音映画祭」でも上映が組まれるなど、時代を超えて愛される作品が、2021年再び渋谷に降臨する!
『Stop Making Sense』から『アメリカン・ユートピア』へ──
トーキング・ヘッズの代表曲「サイコキラー」から始まる『Stop Making Sense』。白いスニーカーの足元にはラジカセ。デイヴィッド・バーンだけがステージに登場するオープニングから、1曲ごとにメンバーが増えていき、サウンドが分厚くなっていく。シンプルなステージ、振り付け、ダンス……そこには37年の時を経て辿り着いた『アメリカン・ユートピア』との共通点が散りばめられている。演奏される「This Must Be The Place」や「Once In A Lifetime」「Burning Down The House」など、同じ曲でありながらも、混迷と分断に悩める現代において、全く違う意味を持って響いてくる。ぜひ『アメリカン・ユートピア』を見る前の予習・復習にもどうぞ!
〈『Stop Making Sense』上映概要〉
上映期間:4月30日(金)〜5月6日(木)の1週間 ※上映スケジュールは劇場HPにて発表。
上映劇場:渋谷シネクイント
上映料金:1,200 円均一